© FUKATSU SHIGEFUMI COLLECTION All rights reserved.

news_xlarge_rinkogun_wangansen_omote

20177/3

【深津演劇祭・第8弾は唯一の東京公演のみ!】燐光群『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

news_xlarge_rinkogun_wangansen_ura早いもので深津コレクション全3巻刊行から、この7月末で1年が経ちます。数多くの作品が新たな命を吹き込まれてきた深津演劇祭・第8弾は、今回関東圏より唯一の参加となる、燐光群『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』(1997年、ユニットVortex Cafeにより上演、その後1999年に深津プロデュースにて上演、また2001年にも深津篤史企画にて上演。コレクションⅡに収録)です。

深津氏と燐光群・坂手洋二氏の関わりについて、既にご覧の方もいらっしゃるかと思いますが、まずは燐光群ホームページなどで掲載されている下記の文章を読んで頂くのが一番、でしょう。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。

次は同じくホームページに掲載されている現桃園会代表、はたもとようこ氏からの寄稿を。

深津が亡くなって7月末で丸三年。昨年から深津演劇祭と銘打って、ゆかりの劇団による深津作品の上演が続いています。東京からは坂手洋二氏率いる燐光群が手を挙げて下さいました。
この作品の初演は1997年3月。1994年に始まったOMS戯曲賞の最終候補に連続して残ったことで注目され、劇作家としての深津に外部からの依頼が増えだした頃。実はこの作品は他所への書き下ろしなので、わたしは初演時のいきさつを詳しく知りません。
そこで、深津は坂手さんとの関係を何か書き残してないかと昨年出版された深津篤史コレクションをめくっていたら……見つけました!アイプレスvol.7のインタビューで「あなたにとって気になる劇作家やアーティストは誰ですか?」という質問に「好きなのは北村想と坂手洋二」と答えているのを!
偶然見つけたこの一言ですが、このインタビューは『湾岸線〜』の書かれた1997年、『うちやまつり』で岸田戯曲賞を受賞する前年に掲載されています。桃園会は1992年に京都で旗揚げし1995年には念願の扇町ミュージアムスクエアや伊丹アイホールでの公演を行い定期化していくことができました。関西での目標を達成した深津は、次に目指す劇団活動の理想の一つとして燐光群を念頭に置いていたのではないでしょうか。自分が力をつけて賞を獲り劇団員と一緒に劇団を大きくしていく、そんなことを考えていたに違いありません。
深津は坂手作品の力強さや社会に対する鋭い視線、俳優の方たちの力量、ツアーを敢行する制作力など、先輩劇団として強い憧れを持っていたと思います。わたしが燐光群を最初に見たのも1993年アートスペース無門館での『神々の国の首都』で、深津の強い勧めがきっかけでした。それ以降もたくさんの関西の若い演劇人が深津の勧めで燐光群と出会ったはずです。
憧れの燐光群で自分の戯曲が上演されるなんて、きっと今回の企画には深津本人が一番驚き、喜んでいることでしょう。こんな素敵な機会をいただき、劇団、関係者の皆様、そして見届けてくださる客席の皆様に心から感謝申し上げます。

はたもとようこ(桃園会 代表)

また今回は、プレビューと最終3ステージを除くほぼ全ステージ終演後に、リーディング・アフタートークを開催。総出演者数63名、実に「演劇祭」らしい、素晴しい企画となっています。
ショート・リーディングは『四季一会』(コレクションⅢ収録)、『カラカラ 改訂版』(コレクションⅡ収録)、『月灯の瞬き』(コレクションⅢ収録)、『夜毎の鳩』(コレクションⅢ収録)、とコレクション収録作品から一挙に。
スペシャル・リーディングでは『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』のアダルト・バージョンが上演されます。
アフタートークはコレクション刊行委員でもある編集者・小堀純氏、「深津篤史を偲ぶ会」でもスピーチを頂いた劇作家・演出家、MONO代表の土田英生氏、深津氏と長年交流があり、2008年・新国立劇場での 『屋上庭園/動員挿話』の演出に深津氏を招聘した演出家・宮田慶子氏、という豪華なラインナップです。
桃園会の東京公演常打ち小屋でもあったザ・スズナリで行われる、演劇祭唯一の東京公演、燐光群ファンや関東の方のみならず、関西をはじめ他地域の深津作品ファンにも、是非観て頂きたいものに仕上がっています。ご期待下さい!

※下記WEB媒体でも情報が掲載されております。そちらもご覧ください。
・ステージナタリー
http://natalie.mu/stage/news/234519


燐光群
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

作/深津篤史
演出/坂手洋二

■ 出演
杉山英之
東谷英人
荻野貴継
橘麦
高野ゆらこ
武山尚史
山村秀勝
宗像祥子
田中結佳
和田光沙
高木愛香
中瀬良衣

■ 日程
2017年
7月6日(木)19:00 プレビュー
7月7日(金)19:00 プレビュー
7月8日(土)14:00 【 R 】
7月9日(日)14:00 【 S 】
7月10日(月)19:00 【 T 】
7月11日(火)14:00 【 S 】
7月12日(水)19:00 【 R 】
7月13日(木)19:00 【 T 】
7月14日(金)19:00 【 R 】
7月15日(土)14:00 【 R 】/19:00 【 R 】
7月16日(日)14:00 【 S 】
7月17日(月)14:00
7月18日(火)19:00
7月19日(水)14:00

※受付開始は開演の40分前
※開場は開演の20分前
※開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
※上演時間は約1時間20分を予定
※プレビュー公演の7月6日(木)・7日(金)は受付終了しました。

★終演後特別企画あり!★
それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

・8日(土)14:00
【 R 】ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣

・9日(日)14:00
【 S 】スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 山村秀勝 和田光沙 中瀬良衣

・10日(月)19:00
【 T 】アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)

・11日(火)14:00
【 S 】スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 和田光沙 中瀬良衣

・12日(水)19:00
【 R 】ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継

・13日(木)19:00
【 T 】アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)

・14日(金)19:00
【 R 】ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙

・15日(土)14:00
【 R 】ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和

・15日(土)19:00
【 R 】ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史

・16(日)14:00
【 S 】スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 和田光沙 中瀬良衣

※ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
※スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。

■ 会場
下北沢ザ・スズナリ
世田谷区北沢1-45-15
03-3469-0511
小田急線・京王井の頭線 下北沢駅 南口徒歩7分

■ 料金
◆スペシャル・リーディングあり 9日(日)・11日(火)・16日(日)
一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
◆スペシャル・リーディングなしの回
一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
◆U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円
※スペシャル・リーディングのある回を含む全ステージ共通料金・当日は+500円・当日受付にて要証明書提示
※全席指定

■ スタッフ
[照明] 竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
[音響] 島猛(ステージオフィス)
[舞台監督] 森下紀彦
[美術] じょん万次郎
[衣裳] 小林巨和
[演出助手] 村野玲子
[文芸助手] 清水弥生 久保志乃ぶ
[衣裳協力] ぴんくぱんだー・卯月
[イラスト] 山田賢一
[宣伝意匠] 高崎勝也
[制作] 古元道広 近藤順子
[協力] 桃園会 DULL-COLORED POP (有)スタッフ・テン e-factory プロダクション・タンク
[Company Staff] 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋 樋尾麻衣子 秋定史枝 桐畑理佳 番匠郁 鈴木菜子 福田陽子 鈴木陽介 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ 脇園ひろ美
[主催] 有限会社グッドフェローズ
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)

■ 『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』とは
夜明け前の工業地域、窓の向こうに湾岸線浜浦駅の高架が見えるビルの一室、水槽には金魚。高架下には死体と見紛う動かない人影が見える・・・そこに出入りする、互いをアイドルの名前で呼び合う10人の男女の性と生のゆらめきを描く。
初演は1997年、ユニットVortex Cafeによりウイングフィールドにて上演、その後1999年に深津プロデュースにて再びウイングフィールドにて上演、また2001年にも深津篤史企画にて芸術創造館にて上演された、「エロスとタナトスに満ちた隠れた名作」。

■ 燐光群とは
1982年創立。主宰である坂手洋二の作・演出作品を中心に、社会性・実験性の高さと、豊かな表現力を兼ね備えた、斬新で意欲的な新作公演を重ねている。国内での年3~5本の公演・ツアーの他、『神々の国の首都』『屋根裏』等で海外15カ国27 都市の公演を行う。1999年『天皇と接吻』第7回読売演劇大賞優秀作品賞、2002年『最後の一人までが全体である』第10回読売演劇大賞優秀作品賞、2004年『だるまさんがころんだ』第12 回読売演劇大賞選考委員特別賞。
主宰の坂手洋二は、『屋根裏』『だるまさんがころんだ』等により、岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞、紀伊國屋演劇賞、朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。戯曲は海外で10以上の言語に翻訳され、出版・上演されている。2010年『屋根裏』がフランスで、『たたかう女』が韓国で上演され、2011年は『ブラインド・タッチ』がロンドンでリーディングされている。日本劇作家協会理事。日本演出者協会理事。国際演劇協会日本支部理事。

■ チケット予約
WEB=https://ticket.corich.jp/apply/83247/
TEL= 03-3426-6294
E-mail= ticket-rinkogun[at]ee.alles.or.jp
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の15分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。開演の10分前までにご精算頂けない場合は、あらかじめご用意したお席にご案内できない場合がございます。
※キャンセル・日時変更はできません。

■ お問い合わせ
燐光群/(有)グッドフェローズ
03-3426-6294
ticket-rinkogun[at]ee.alles.or.jp

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

fukatsu-c_I-03

【御礼】深津演劇祭実行委員会のはしぐち・中村よりコメントです

遅くなりましたが、「深津演劇祭~深津篤史コレクション舞台編~」、先月の桃園会「深海魚」の公演をもちまして全日程無事に終了しました。改めて全参…

0108b5e0a32686f92df7c86a67bea327-1280x1808

20183/25

【深津演劇祭・最後の作品は本日開幕】桃園会『深海魚』

約1年半に渡り数々の作品が上演されてきた深津演劇祭、遂に終幕です。 最後を飾るのは深津篤史を主宰・作・演出として、数々の傑作を世に送り出し…

stage_70997

20183/9

【深津演劇祭・ラストスパートの第11弾はあの衝撃作!!】あうん堂『五軒町商店街寄合会』

約1年半に渡って続いてきた深津演劇祭もいよいよあと2作品、ラストスパートです。 あうん堂により上演される『五軒町商店街寄合会』(1995年…

f_engekisai_1c-e14692074451422

【詳細決定!】「深津演劇祭後夜祭〜深津戯曲を語る夜〜」開催のお知らせ

始まりあれば終わりあり。約1年半に渡る長い期間に渡り、数々の意欲的な上演が続いてきた深津演劇祭ですが、3月の桃園会による「深海魚」が最後の上…

プリント

20181/14

【深津演劇祭・第10弾は1日限定上演!!】Plant M『blue film』

深津演劇祭、ひとまずの区切りとなる2018年1本目は、Plant Mによる名作『blue film』(2002年・桃園会第24回公演にて初演…

ページ上部へ戻る